【長文読解対策】動詞から「時を表す情報」(時制)と主語を分析する

【長文読解対策】動詞から「時を表す情報」(時制)と主語を分析する

2024-09-17

こんにちは!

英検1級の長文読解で満点を獲得したMAREです!

前回のブログで、長文読解には

①誰が何をする ②名詞を囲むかたまり ③文章同士のつながり

の3つが重要だと解説しました。

今日は、①誰が何をするに焦点を当てて説明していきます!

「誰がなにをする」って?

英語の文の中には、基本的に1文に1つ「誰が何をする」という情報(主語述語)が含まれています。

その中でも大切なのが、「何をする」に当たるメインの動詞

見つけるのはそう難しくはありません。

英語ではほとんどの場合、「誰が何をする」が文頭に来ます。

マークの仕方

このブログでは、メインの動詞に下線を引くことにしています。

少し複雑になるのが、メインの動詞として下線を引くべき部分が1語ではない場合です。

例えば

①take off, take back, take afterなど、他の単語とくっついて意味を成すもの(熟語・イディオム)

②動詞の前について、書き手の意見を反映するwill, can, may, have toなど(助動詞的表現)

③時間の情報を加えるhave 

④am/is/areに~edや~ingがくっついた形

⑤not

などは、一緒に下線を引くとわかりやすいです。

明確なルールはありませんが、自分がわかりやすいように線を引きましょう。

前回の記事でつけたマーク。青い下線がメインの動詞です。

前のブログで、動詞は情報を持っているとお伝えしました。

具体的にどんな情報を持っているのでしょう?

①時を表す情報(時制)

A: 辞書に載っている通りの一番シンプルな形 [play]

日常的に起きること(現在形)

B: am/is/are に ~ing がくっついた形 [am/is/are playing]

今まさに起きていること(現在進行形)

C: ~edの形 [played]

過去に起きたこと(過去形)

~ed がつかない例外の形をとる動詞が多いのが難しいポイント。

D: was/wereに ~ing がくっついた形 [was/were playing]

過去のある時に起きていたこと(過去進行形)

E: have/hasに~ed がくっついた形 [has played]

過去に起きて今にも影響していること(現在完了)

日本語には直訳しづらい表現なので、苦手な人が多い形です。

しかし、長文を読むにあたって、訳す必要は一切ありません。

「過去に何が起きたのか」「今の状態はどうなのか」の2つを同時に表しているのがポイントです。

読みながら日本語にしようとするとわからなくなるので、

「過去に何が起きたのか」「今の状態はどうなのか」

を把握することに集中しましょう。

ちなみに長文を読むときは、「過去に起きたこと」くらいの認識で問題ないことがほとんどです。

詳しくは別記事で説明します!

F: hadに~ed がくっついた形 [had played]

過去に起きてその後にも影響していること(過去完了)

こちらも訳そうとすると、さらに難解になるので、一旦きれいな日本語に訳すのはあきらめましょう。

(訳さずに感覚的に意味をとれるようになると、自然と訳せるようになります。その方が近道です)

ここで把握しておきたいのが、この形では過去のある時点と、もっと過去の時点、2つの時について言及しているということです。

「過去に何が起きたのか」「その後の状態はどうなったのか」

が読み取れれば完璧です。

こちらも、読むことだけに注力するのであれば、「今までの文脈よりさらに昔に起きたこと」ととらえておけば支障ないことがほとんどです。

G: am/is/are going to に辞書に載っている通りの形がくっついた形 [is going to play]

未来に起きること (未来形)

H: will/can/may/would/could/might/should などに辞書に載っている通りの形がくっついた形 [will play]

未来に起きそうなこと (未来形)

基本的には未来のことを話していると考えて構いません。

Fとの違いは、起きると決まっていることではなく、書き手が起きそうだと思っていることについて言及しているということです。

どれくらい置きそうだと思っているかや、起きるべきだと思っているかなど、書き手の気持ちを反映します。

Be going toとwillを並べて、未来系にはこの2つがあると習った方もいるかと思いますが、厳密にはcanもmayも、willと使い方はほとんど変わらず未来のことを話しています。

②主語を特定する情報

文章が複雑にならない限りは、動詞自体の意味と、①時を表す情報がちゃんとわかっていれば大丈夫です。

しかし、複数の文がつながって1つの文をつくっているような場合、「誰が何をする」の組み合わせが読み取りにくくなることがあります。

そんな時、動詞の形を見ると、それに対応する「誰が」がわかるかもしれません。

例えば、

She has dogs which have long tails and walks them every day.

この文には、「誰が何をする」の組み合わせが3つ登場しています。

Andのせいで、パッと見複雑じゃないですか?

1つ目は簡単です。

“She has” 「彼女は持っている」

2つ目は少し難しくなりますが、whichの役割を知っていれば、

“Dogs have” 「犬たちは持っている」

だとわかります。

では、余った動詞 “walks”の主語「誰が」は誰でしょうか?

こう説明すれば、このブログを読んでいる皆さんは、主語がsheであることがわかると思います。

主語がdogsだった場合、動詞はwalkにならないといけないからです。

これくらいなら文脈から考えても判断できそうですが、それでは危険かもしれません。

これと同じ構造のまま、3つ目の主語をdogsにすることもできるからです。

She has dogs which have long tails and walk fast.

こうなった場合、walkの主語はdogsです。

これがもっともっと複雑になり、dogやwalkのように誰もが知っている単語でなくなってきたときに、うっかり「誰が何をする」の組み合わせを間違えることが起こります。

①と違って毎回チェックする必要はありませんが、覚えておくと役に立つ時が来るでしょう。


「誰が何をする」の見つけ方と、どうしてメインの動詞が大切なのかわかりましたか?

メインの動詞を見つければ、動詞そのものが持つ意味以上に、時間の情報や主語の情報まで、得ることができるのです。

動詞の形が変化することを習ったとき、

「なんでそんなめんどくさいことをするんだ!」

と思ったかもしれません。

しかし、長文を読むにあたっては、動詞が変化することで得られる情報が増え、読みやすくなることもあるのです。

次の記事では、②名詞を囲むかたまりを解説しています。

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