正しい英語の読み方をするために、最も大切なのは文構造をとらえること!
SVOCとか、第1文型とか、高校で習いませんでしたか?
習ったけれど、未だに何が何かよくわかっていない。
SVOCという言葉を聞くだけで拒否反応が…。
という方、よくわかります!
SVOCや文型は、文構造をとらえる上でとても大切な概念ですが、記号で言われてもピンとこない人がほとんど。私もそうでした。
Sは主語でVは動詞で…と頑張って覚えても、それを使って新しい文法を説明されるとだんだん理解できなくなる。
文章を読んだときにSVOCを使って自分で文構造をとらえるなんてもってのほか!
これこそが、「文法事項はおさえているつもりなのに、長文が頭に入ってこない」現象の根源なのではないかとすら思います。
ですので、このブログではSVOCや第〇文型といった文法用語は極力使いません!
簡潔に表すために使用する箇所もありますが、肝心の解説パートではわかりやすい語に言い換えて説明します。
では、SVOC以外の何を使って文構造を把握するの?
必ずチェックしてほしいポイントが3つあります!
①誰が何をする ②名詞を囲むかたまり ③文章同士のつながり
この記事+上記3つのポイントを紹介する3記事で、「長文読解基礎講座」を作ってみました!
4記事読んで、英文が頭に入ってきやすくなる読書法を身につけましょう!
今回使用する例文
今回は、2023年度3回目の英検2級の試験で実際に出題された英文を使いながら、このチェック方法を説明します!
慣れるまでは一緒に線を引きながら読んでいきましょう。
ブログ内では色分けをしていますが、試験で使える黒ペン一本でも大丈夫です。
In 1903, Marie Curie became the first woman to receive a Nobel Prize. She got it for the research that she and her husband had carried out in physics. Eight years late, she became the first person ever to win a second Nobel Prize. This time, the prize was for discoveries that she had made in chemistry. Her research has led to the development of technologies such as X-ray machines that have become important parts of our lives.
英検協会のサイトからお借りしました。
英検協会は過去3回分の問題を全て公開してくれています。
このブログを読んで、ある程度文構造がとらえられるようになってきたら、実際の過去問で練習してみるとよいでしょう。
①誰が何をする
文章を読むうえで、最低限把握しておかなければならない情報は、
「誰が何をする」
です。日本語文法で言うと、主語述語というやつです。
「誰が」も「何をする」も見つけるのは比較的簡単でしょう。
「何をする」を見つける方法は、メインの動詞を見つけること。
動詞は様々な形に変化するので、1つの文章に複数登場する場合もありますが、「何をする」の部分にあたる、メインの動詞だけに下線を引きましょう。
例文の1文目
In 1903, Marie Curie became the first woman to receive a Nobel Prize.
のメインの動詞は became です。
例外として、メインの動詞がいくつか出てくる場合があります。
2文目の
She got it for the research that she and her husband had carried out in physics.
その例です。これは、2つの文章がつながっているときに起こります。
詳しくは③文章同士のつながりで説明します。
英語の動詞には、take off, take back, take afterなど、他の単語とくっついて意味を成すもの(熟語・イディオム)が多くあります。そういった場合も、動詞とあわせて下線を引きましょう。
また、動詞の前について、書き手の意見を反映するwill, can, may, have toなど(助動詞的表現)、時間の情報を加えるhave やnotなどもあわせて下線を引くと分かりやすいです。
動詞は、文章の中で一番多くの情報を持っている単語です。
その単語自体の意味はもちろん、形が変化することで、時に関する情報や、主語に関する情報を教えてくれます。
そうです。同じ単語なのに形が変化していやだなーと思っていた動詞たちは、実は、メインの動詞をみるだけで文構造がある程度分かるよう、親切に変化してくれていたのです!
下線を引いた後、複雑な文章の場合は動詞の形を分析することで読みやすさがアップします。この方法は別の記事で解説します。
②名詞を囲むかたまり
その次に確認してほしいのが名詞を囲むかたまり。
正確には、名詞を囲む補足情報のかたまりといった方がいいかもしれません。
英語でも日本語でも、1つの単語に様々な補足情報がくっつくことで、文構造をわかりにくくしています。
複雑な箇所はいくつかありますが、ここで注目してほしいのは、”the first woman to receive a Nobel Prize”という箇所。
「女性」を意味するWomanという名詞に、「最初の」を表すthe firstと、「ノーベル賞を受賞した」を表すto receive a Nobel Prizeがくっついて、補足情報を加えています。
かたまりがわかりやすいように、かたまりの中心となる名詞を探して四角で囲い、補足情報となる部分をカッコでかこっておきましょう!
a や theを四角に含めるか、括弧に含めるかは、ここではあまり気にしなくて構いません。
慣れるまでは、カッコの中の情報がどの四角(名詞)を補足するのか、矢印を書いて示しておきましょう。
③文章同士のつながり
英語では、1つの文章で「誰が何をする」という情報を1つだけ表すのが基本だと説明しました。
しかし、例外があります。
それは、1文に見えているものが、実際はいくつかの文がつながってできているという場合です。
1つの文章に2つ以上の「誰が何をする」が含まれる場合、組み合わせを間違えると全く意味が違ってきます。
この英文では、2文目に注目。
She got it for the research that she and her husband had carried out in physics.
この文には、
「彼女が受け取った」という意味がある”she got”と、
「彼女と夫が行った」という意味がある”she and her husband had carried out”
という2つの「誰が何をする」が含まれています。
ここでのthatはthe researchの内容を説明して、名詞を囲むかたまりを作る役割があります。
読むときは、文章同士をつなぐ単語に丸をつけることにします。
文章同士のつながりには、この文のような名詞の説明だけでなく、「誰が何をするということ」といったような名詞をつくったり、「なぜなら」「だが」など話の流れをつくったりなど、色々な種類があります。
文構造を理解するのに役立つのはもちろん、文章全体の流れを把握するうえでも役立ちます。
これは色々な文章を読みながら慣れていきましょう!
実際にマークしてみよう!
この3つのポイントをおさえることで、文全体の構造が把握しやすくなります。
まずは、この英文の1段落目を、解説したとおりにマークしてみましょう!
私がマークしたものはこのブログの一番下に貼っておきます!
同じようにマークできていましたか?
慣れてきたら複雑な箇所だけマークすれば読めるようになっていきますが、まずはこの線の引き方に慣れていきましょう!黒一色でも大丈夫です。
今の段階ではわからない箇所があっても大丈夫。
①誰が何をする ②名詞を囲むかたまり ③文章同士のつながり
をそれぞれ「長文読解基礎講座」として解説しています!
この4記事を読めば、SVOCなんて知らなくても文構造が見えてくる!