こんにちは!
英語長文読解対策の記事を投稿しているMAREです!
これまでこのブログでは、英語長文を読むうえで重要なポイントを4記事にわたって解説してきました。
また、その後には早く正確に英語を読むコツも紹介しました。
今回は、実践編ということで、有名な小説の第1章を一緒に読んでみましょう!
今日読むのは私も大好きな有名小説、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの「星の王子様」です。
原作はフランス語で書かれた”La petit prince”ですが、実は出版されたのは1943年にアメリカで発表された英語版 “The little prince”が初版です。
今にも通じる大切な考え方や名言が隠されている作品なので、これを機に英語で読むのも面白いでしょう。
「星の王子様」の英語版は、海外作品版青空文庫「Open Rights Library」でも公開されていますが、挿絵もかわいい作品なので私は英語版とフランス語版を購入しました!
LITTLE PRINCE,THE(B) [ ANTOINE DE SAINT-EXUPERY ]
目次
読み方のルールをおさらい
このブログ内では、主に3つのポイントにマークをつけながら読んでいきます。
これはあくまで文章構造を把握する練習のためのものですので、スラスラと読めるようになってきたら、簡単な文章はマークせずに読めるようにしていきましょう!
また、知らなかった単語に別のマークをつけて意味を書き込むなど、自分流にアレンジしてみてください!
①「誰が何をする」(主語述語)
「誰が何をする」の「何をする」の部分をこのブログではメインの動詞と呼んでいます。
このメインの動詞には下線を引きましょう。
will, can, mayなどや、not、動詞の後にくっついて意味を成すon, in, offなども、まとめて線を引くとわかりやすいです。
②名詞を囲むかたまり
名詞を四角で囲み、それを補足する情報をカッコで囲みます。
補足情報には前からくっつくものと後ろからくっつくものがあるため注意が必要です。
③文章同士のつながり
英語では1つの文章の中に基本的には1組の「誰が何をする」が存在します。
しかし、例外として文と文をつなぐキーワード(関係詞、接続詞)によって、1文に2つの「誰が何をする」が現れることがあります。
このキーワードを丸で囲みましょう。
文と文をつなぐキーワードは、名詞の補足情報を把握するのにも、文全体の流れを把握するのにも役立ちます。
訳すことより内容を把握することが優先!
英語と日本語では語順も表現も全く異なります。
そのため、訳したからといって、いつでも自然な日本語になるとは限りません。
皆さんも、英語を無理やり日本語に訳そうとして違和感のある表現になってしまったことがあるでしょう。
また、語順が違うため、訳そうとすると後ろから前へ返って読むことになり、時間のロスが大きくなってしまいます。
長文読解のコツは、前から後ろへ読んでいくこと。
きれいな訳が頭の中で組み立てられている必要は全くないので、上の3つのポイントを上手く使いながら、意味の切れ目を意識して読んでいくことが大切です。
そのうえで、読みながらマークをつけていく練習は役に立ちます。
星の王子様 第1章
今回読んでいくのが以下の2ページです。
このブログは、高校卒業(大学受験)レベル、英検2級レベル、TOEIC600-695点レベルを目指す方、また、このレベルの復習をしたい方向けに書いていますので、それより難しい単語にはグレーで線を引いてあります。
まずは第1段落をマークしてみましょう!
第1段落
同じようになりましたか?
グレー以外にも、難しそうな単語の意味も併記しておきました。
1文ずつ訳すのではなく、意味を区切りながら内容を把握していくことを意識しましょう。
私ならこんな風に考えていきます。
When I was six years old
6歳の時の話か~
I saw a magnificent picture
見事な絵を見たんだ~
in a book
本で見たんだ~
a book about the jungle
ジャングルについての本なんだ~
a book called True Stories.
トゥルーストーリーズっていう本なんだ~
It showed a boa constrictor
ボアっていう大ヘビを見せる絵=大ヘビを描いた絵だったんだ~
a boa constrictor swallowing a wild animal.
野生動物を飲み込むボアか~
This is
これは何だ?
what it looked like.
それがこんな風に見えたってことか!それがこの絵なんだ!
第2・3段落
ここからは、重要表現や文構造が複雑な箇所だけを追ってみていきましょう。
最後には私が意訳したものを載せています。あくまで意訳なので、自分が内容を理解できているか確認するのに使ってください。
without chewing
without ~ingで「~せずに」と訳します。without chewing itは「噛まずに」となります。
are unable to ~
unableはableの否定形です。
be able to ~ は「~できる」という意味。
ですので、be unable toは「~できない」という意味になります。
They set me thinking
ここで注意が必要なのは、setは現在のことを表す形も過去のことを表す形も同じだということ。
ここまでずっと過去の話をしていることから考えて、ここは過去だと考えるのが良いでしょう。
setには、「〇〇を△△の状態にさせる」という意味があります。
よくある使われ方は、set the machine working 「機械を動かす」のようなものです。
all the things
all of the things の the を省略した形です。
特にthingsの前では、このようにtheを抜いた形がよくつかわれます。
all of the thingsと同じように、「全てのもの」と訳して問題ありません。
意訳
本によると、ボアという大ヘビは獲物を飲まずに丸呑みする。その後ボアは動けずに、消化する6か月の間、眠る。このことに、私はジャングルで起きているすべてのことについて考えさせられ、クレヨンで初めての絵を描いた。それを私は1つ目の絵と呼んだ。それはこんな感じだった。
第4・5・6段落
asked if
ここでのifは、「~かどうか」という意味です。よくaskとセットで使われるので、「ask if」の形で覚えておいて損はありません。
使い方についてはこの記事の中で解説しています。
they found it scary
findには、「~であると感じる」「~であると認める」という意味があります。
この文のように、find it ~のように使われるほかに、日常会話では、
How did you find it? 「あなたはどう感じた?」
と使うことがよくあります。
例えば旅行先などで、
How did you find this country? 「この国はどう?」
と聞かれることがよくあります。
find=見つける だと思っていると返答に困るので、覚えておきましょう。
my drawing was not of a hat
この文をぱっと見で分かりづらくしているのがof。
ですが、drawing of a hatなら見慣れた形でしょう。
my drawing was not of a hatは、「私の絵は帽子のものではなかった」というように理解できていればOKです。
help the grown-ups understand
helpには、「help 人 to 動詞」と「help 人 動詞」という2つの使い方がありますが、意味はどちらも同じで「人が~するのを助ける」となります。
この文は、「大人たちが理解するのを助ける」と訳せます。
ちなみにgrown-upというのは、直訳すると「育ったもの」という意味で、大人や成人という意味でよく使う言葉です。
高校では習わない単語ですが、意味から推測できる単語なので覚えておくとよいでしょう。
意訳
私たちは大人たちに私の作品を見せ、怖いかどうか尋ねた。彼らは「帽子の何が怖いの?」と尋ねた。しかし、私の絵は帽子ではなかった。それは、象を消化しているボアだった。そして私は、大人たちが理解するのを助けるために、ボアの内部を描いた。彼らはいつも説明を必要とする。私の2つ目の絵はこんな感じ。
第7段落
seeing as
asには様々な意味がありますが、ここでは「~ように」と解釈するとスッキリ理解できます。
asを「~ように」とするよくある使い方としては
As I said before ~. 先ほど言ったように~。
というようなものがあります。
seeing as は直訳すると「~なように見ると」
つまり、「~であることを考えると」と意訳すると自然です。
such a disaster
suchには「このような」という意味があります。
名詞とくっついて単純に「このような災害」を表す場合もありますが、
多くの場合、このsuchは何かを強調するために使われます。
イメージとしては「このように(大きな)災害」や「このように(悲惨な)災害」のような感じです。
such a big disasterのように、間に形容詞が入ることもあります。
さらに言うと、disasterという単語はsuchとともに使われることが多く、いわゆる「災害」だけではなく、such a disasterという表現で、「このように悲惨なこと」を意味することがあります。
ここではこの使い方が一番しっくりくるでしょう。
また、自分でsuchを使った文を書くときは、a の前にsuchが来ることに注意が必要です。
意訳
大人たちは私にボアの中に象を描くのを忘れて、地理や歴史や計算や文法に集中するように言った。だから、6歳の時、私の1つ目の絵と2つ目の絵が悲惨であったことを考え、私は芸術家としての輝かしいキャリアを諦めた。大人たちは自分たちでは何も理解しないし、子どもにとって何度も何度も説明し続けなければならないのはやっかいだった。
第8段落
come in very handy
come in handy, come in useful は役に立つという意味。
I could tell
tellは「伝える」という意味でよく使われますが、
canやcouldと一緒に使われる時、「~だとわかる」「~を見分ける」という意味にもなります。
例えば
I can tell she is his sister. 私には彼女が彼の姉だとわかる。
や
I can tell the truth. 私は真実を見分けられる。
のように使います。
at a glance
glanceは「ひと目」「一瞥」という意味。at a glanceというセットで使われることが多いです。
この文中では「ひと目で見渡せた」という文脈で使われていますが、
I understand at a same glance. 私はひと目で理解した。
というようにも使えます。
意訳
だから私は他の職業を選ばなければならなかった。そして私はパイロットになる勉強をした。私は世界中を飛び回った。そして、地理がとても役に立つというのは本当だった。私は中国とアリゾナの違いをひと目で見分けられた。それは、夜に道に迷った時とても役立った。
第9段落
, which
,(カンマ)+whichで文と文がつながっているとき、このwhichより後は、前の文全体に対する補足情報になることがあります。
例えば
He said he was a doctor, which was a lie. 彼は自分が医者だといったがそれは嘘だった。
の場合、whichは直前のdoctorではなくhe was a doctorという文全体を補足しています。
意訳
過去何年もにわたって、私はたくさんの賢い人たちに出会い、多くの時間を大人の世界で過ごした。近くで彼らを見ることでは、私の彼らに対する意見は変わらなかった。
第10段落
この段落の1文目は長くて複雑なので、一緒に読んでいきましょう。
Whenever I met a grown-up
私が大人に会うときはいつでも
a grown-up who seemed fairly intelligent
大人っていうのはまあまあ賢そうな大人か~
I would test him
彼(=賢い大人)を試したんだ~
with my drawing number one
1つ目の絵を使ったんだ~
which I have always kept
いつも持っていたのか~
to find out
見抜くために。何を?
if he really was perceptive.
彼が本当に知的かどうか
このように、区切ってみていくことで、内容が把握しやすくなりました。
2文目以降の意訳はこうなります。
意訳
私はまあまあ賢そうな大人に会った時、彼が本当に知的かどうか知るために、私はいつも持っていた1つ目の絵で彼を試した。しかし、その人はいつもこう答えた。「それは帽子だ。」だから、ボアやジャングルや星について話す代わりに、私は彼のレベルまで下りて、橋や、ゴルフや、政治や、ネクタイについて話し合った。そして、その大人はこんなに合理的な男に会えたことを喜んだ。
今回は、星の王子様の第一章を読んできました。
世界の名作には日本語に翻訳されているものも多いですが、楽しみながら英語を勉強する手段として活用できます。
今後も続きを読む記事を投稿する予定です。楽しみにしていてくださいね!