こんにちは!
これまでに35カ国旅したMAREです!
アート好きな私ですが、ヨーロッパに行くまでは、あまり美術について詳しくありませんでした。
そんな私がアートに惚れたきっかけになったのが、フランスのルーブル美術館と、ヴァチカン市国にあるヴァチカン美術館。
有名作品が多く、見ているだけでも楽しいですが、少し知識があると楽しみは倍増します!
世界中の巨匠の作品が集まるルーブルと比べ、ヴァチカンにはその土地柄もあってか、キリスト教関連の作品がたくさん。
歴史や描かれているテーマになじみがない方も多いと思いますが、背景が少しでもわかると、何気なく見ていた作品が、さらに輝いて見えます!
美術館はとにかく広大で、一度にすべてを見るのは至難の業。
そこで今回は、順路に沿って見逃せない13個の見所を紹介します!
これさえ読めば、有名作品を見逃すことはありません!
ヴァチカンがある、ローマの観光地はこちら!
フランスのルーブル美術館もおすすめですよ!
目次
【チケット情報】
Googleマップ:https://maps.app.goo.gl/zeH4sWx4D3WeypuF6
HP:https://www.museivaticani.va/content/museivaticani/it.html
ヴァチカン美術館は非常に人気が高く、当日券は朝早くから行列ができます。
特に観光シーズンは完売することも。
オンライン手数料がかかりますが、絶対に入りたいなら事前予約がおすすめです!
一般料金:17ユーロ
オンライン予約料金:21ユーロ(予約手数料込み)
学生料金(25歳以下・国際学生証提示):8ユーロ
開館時間や特別展の有無によって変動する場合があるため、公式サイトを事前にチェックすることをおすすめします。
ピエタ

作者:ミケランジェロ
制作年:1498–1499年
キリストの亡骸を抱いた、聖母マリアの彫刻。
本物は、美術館の横にあるサン・ピエトロ大聖堂にあり、美術館にあるのはレプリカです。
ミケランジェロが20代前半で制作したというから驚きです!
ミケランジェロが自らの名前を刻んだ唯一の彫刻としても知られており、彼の名を一躍有名にした作品です。
キリストの体の重み、マリアの表情、布の柔らかさなどが、硬い石で表現されているのは驚きです。
本物が見たい方はサンピエトロ寺院の入り口で見られます。
キリストの埋葬

作者:カラヴァッジョ
制作年:1600–1604年
バロック絵画で有名な、カラヴァッジョの作品。
亡くなったキリストの体を抱きかかえ、嘆き悲しむ人々が描かれています。
描かれている女性たちは、3人のマリアと呼ばれる、キリスト教の中でも重要な人物たち。
向かって左から、聖母マリア、マグダラのマリア、クロパのマリアです。
キアロスクーロと呼ばれるはっきりとした明暗対比を用いており、下を向いている聖母マリア、マグダラのマリアの顔は暗く描かれているのに対して、天を仰ぐクロパのマリアには光が当たっているのが印象的です。
迫力のある構図も評価されているポイントで、ダランと垂れた腕から、力の入っていない体の重さが感じられます。
実物大に近いスケールで描かれているため、絵の前に立つと、絵画の中に入り込んだような感覚になります。
キリストの変容

作者:ラファエロ・サンティ
制作年:1516–1520年
ヴァチカン美術館に、多くの作品が所蔵されているラファエロ。
彼の最終作といわれる作品が、この「キリストの変容」です。
上部(天上)にキリスト、下部(地上)に悪霊に憑りつかれた少年を抑える使徒たちが描かれています。
キリストの癒しの力を待ちわびる人々と、変容するキリストが、1つの画面に描かれているのが特徴です。
神々しいキリストが描かれた上部の中心は、絵画全体を見てもひときわ明るく、本当に光が当たっているように見えます。
混沌とした人間の世界とのコントラストを強調する構成は、美術に詳しくない人でも直感的にストーリーを想像できるのではないかと思います。
16世紀後半から20世紀までは、世界一有名な油彩画といわれていたそうです。
荒野の聖ヒエロニムス

作者:レオナルド・ダ・ヴィンチ
制作年:1480年頃
シリアで禁欲的な生活を送っていたとされる、4世紀の聖職者、聖ヒエロニムスを描いた作品。
未完の作品だというから驚きです。
この絵画に描かれたシーンは、砂漠で出会った傷ついたライオンを治療した場面だそう。
荒れた風景の中で祈る聖ヒエロニムスの姿からは、苦悩と神への献身が感じられます。
静かな迫力が感じられる作品です。
ダヴィンチの有名作品「最後の晩餐」はミラノで見られます!
ローマからのバスも出ているので、興味がある方はぜひ!
ラオコーン

制作年:紀元前40年頃(発見は1506年)
ヴァチカン美術館ができるきっかけになった作品。
ローマのブドウ畑から発掘され、それを購入した教皇ユリウス2世がヴァチカンで展示しだしたのが始まりでした。
発掘の経緯なども含め、この美術館で最も重要な作品の1つです。
トロイの神官ラオコーンとその息子たちがポセイドンの怒りを買い、大蛇に襲われる瞬間を表しています。
顔に浮かぶ苦悶の表情がとてもリアルで、ミケランジェロをはじめとするルネサンス期の芸術家たちに大きな影響を与えました。
ベルヴェデーレのトルソー

制作年:紀元前1世紀頃
古代ギリシャで作られた、頭や手足が失われている状態の像で、作者はわかっていません。
筋肉や骨格のバランスが非常にリアルに表現されています。
発見されてから、多くの芸術家に影響を与えてきたこの作品。
力強くねじれた体幹部は、特に多くの作品が影響を受けています。
ミケランジェロもこのトルソーを研究対象とし、「最後の審判」に登場する裸体像に活かしたといわれています。
円形の間(Sala Rotonda)

建物自体も魅力的なヴァチカン美術館。
18世紀に完成したこの部屋は、ローマのパンテオンを参考にしたといわれるドーム天井が特徴です。
円形の空間に古代ローマの巨大な大理石像や棺が配置され、まるで神殿に迷い込んだような感覚!
床には繊細なモザイク画が敷き詰められ、建築・彫刻・装飾が一体となった室内に、これが空間芸術か、と思わされました。
静かながら荘厳で神聖な雰囲気が漂う空間です。
タペストリーの間(Galleria Degli Arazzi)

キリストの生涯を描いたこれらのタペストリーが、壁中に貼られたギャラリー。
タペストリーの下絵は、ラファエロの弟子たちによって描かれたそう。
絹と金糸を用い、16世紀にブリュッセルで織られた、素材としても価値が高いものです。
絵画とは異なる布の質感と立体感があり、光の当たり方によって見え方が変わるのも魅力的!
地図の間(Galleria Delle Carte Geografiche)


イタリア各地を描いた地図40枚が、全長120メートルのギャラリーの両側にずらりと並んでいます。
1580年から1585年にかけて制作されました。
地図だけでなく、天井を埋め尽くす金色のフレスコ画も美しかったです!
神話や宗教に基づく装飾が施され、歩いていると旅をしているような気持ちになります。
アテナイの学堂

作者:ラファエロ
制作年:1509–1511年
ラファエロの間と呼ばれる部屋の壁に描かれた、大型の作品。
ラファエロの間にもいくつかの部屋がありますが、ここは署名の間。
古代ギリシャの有名人が勢ぞろいしています!
中央に描かれているのは、青い布をまとったアリストテレスと、赤い布を巻いたプラトン。
左の方の甲冑を着ている男性がアレクサンドロス大王。
右下で腰をかがめて石板をのぞき込んでいるユークリッド。
その近くに立っている、ひげを生やした人物がゾロアスター。
左下で本を読んでいるピタゴラス。
これぞまさに、予習していくと数倍面白い作品です!
他にも、右下でゾロアスターと会話をしているように見える、黒い帽子の男性がラファエロ自身といわれていたり、プラトンはレオナルド・ダ・ヴィンチの顔で描かれていると言われていたりと、豆知識がたくさん!
遠近法の表現や、左右対称な建物の構図など、ラファエロの技術が詰め込まれた作品です。
聖体の論議

作者:ラファエロ
制作年:1509–1510年
同じく、ラファエロの間の壁に描かれた作品。
天上にキリスト、聖母、ヨハネ、神が描かれ、地上では神学者や教父たち聖体について議論を交わしています。
垂直方向の構成が評価されている作品だそうで、神と人間の関係性を見事に表しています。
人々の表情も印象的で、もっと近くで見たいと思った作品でした。
この「聖体の論議」と、先ほど紹介した「アテナイの学堂」は、美術館を出た直後にスマホで調べて、細かいところまで確認した思い出があります。
最後の審判

作者:ミケランジェロ
制作年:1536–1541年
ヴァチカン美術館の出口は、システィーナ礼拝堂につながっています。
教皇選挙であるコンクラーベが行われる舞台でもある、とても神聖な場所。
そのため、写真撮影は禁止されています。
システィーナ礼拝堂の祭壇の正面に大きく描かれているのが、最後の審判。
とても有名な絵なので、美術に詳しくない方でも見たことがある人が多いでしょう。
とても大きな絵ですが、なんとミケランジェロが1人で描いたそう!
1人の人間が描いた絵としては、世界最大といわれています。
最後の審判とは、世界の終末にキリストの再臨し、人類全員が天国か地獄かの裁きを受けること。
よく見ると、左側の人々は、上、つまり天国に上がっていっており、右側の人々は逆に、下側の地獄に落とされています。
この絵に描かれた人間の数は何と400人以上!
中心に描かれているのがイエス・キリストと聖母マリア。
このイエスの体は、先ほど紹介した「ベルヴェデーレのトルソー」にインスパイアされて描かれたといわれています。
見比べてみると、確かに似たような姿勢をとっているのがわかります。
アダムの創造

作者:ミケランジェロ
制作年:1512年
システィーナ礼拝堂の天井に描かれた絵画。
礼拝堂の天井には、この絵以外にも、聖書のあらゆるシーンが描かれています。
画面右側の神が、最初の人間であるアダムに手を伸ばし、生命を授ける場面。
神とアダムの指先が触れそうで触れない、緊張感と繊細さが印象的です。
神は天使たちに囲まれており、マントが脳みそのような形になっています。
ヴァチカン美術館の有名作品を13個紹介しました!
他にもたくさん魅力的な作品はありますが、広すぎて全部を隅々まで見るのは難しい…。
長時間滞在するにしても、必ず見たい作品はチェックしていくのがおすすめです!
ヴァチカンがある、ローマの観光地はこちら!
ヨーロッパを周遊する予定の美術好きさんには、パリのルーブル美術館や、ミラノの最後の晩餐もおすすめ!